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川面 冬



引き潮の河口は広い浅瀬となって、
水底に潜っている石が、ぽつんぽつんと頭をのぞかせてる。


人の頭ほどのその石のひとつひとつに、
一羽づつ、鴨が乗ってる。


石を分けて流れる水と石と鴨を、
鉄橋から見てた。
by moriheiku | 2013-12-01 08:00 | つれづれ

空の音



ことしの春か、初夏くらいから、空の音が変わった。


これまで聞かなかった種類の航空機の音が、
空に聞こえる。


すぐ近くではないけど、
ほどほど近くに、
自衛隊の駐屯地がある。


空港で飛行機をながめながら聞く平和なジェット機の音とは違う種類の音。
いくつかの種類の航空機の音。


時には映画の中だけで聞いたことのある戦闘機のような
空を裂いて速く過ぎていく音を聞いた。


はじめてじかに聞いた。

ああ、これは。すごいな。



だから、空の音から、世の中が変わったと思う。
by moriheiku | 2013-11-30 08:00 | 音と笛のまわり

海岸



短いトンネルを出て、
海岸沿いの道を走る車としばらく並走。

斜め向こうになじみの山容と、あのビル、スポーツクラブの屋根が見えてきて、
電車はなめらかに駅にすべりこむ。

ホームから見える、海に向かう道の交差点の信号はいつも赤。
by moriheiku | 2013-08-19 08:00 | つれづれ

海 電車



日本中にあるなんでもない家やお店の続く街中をしばらく走ると、
街に海の気配がしてくる。

車窓から海は見えなくても、海が近いとわかる。

数分ぼんやり乗っていると、家々が減り緑が増え、時々南に一瞬光るのは海。

ふたつ目の駅を過ぎて、
駅近くにせめぐ家並を過ぎたら一気に松と海。

遠い岬にかすむタンカー、マリーナのヨットのセールの林、黒い松のシルエット。

線路脇の雑草に風をおこして走る海沿いの電車の、
いつもは山側の緑を私は見ているんだけど、

今日は海を見たよ。
by moriheiku | 2013-08-18 08:00 | つれづれ

水の印



空気はカラカラ。
昨夜、夜の内に弱雨があるかもの予報を見たが、
朝起きて玄関を開け外を見ても、地面に濡れたあとはなかった。
乾いたのかも。


青い空に長く飛行機雲を引いて、飛行機が飛んで行く。
上空の湿度の高い印。

あんなに上の秋色の空は、今日は水気が多い。
by moriheiku | 2013-08-17 08:00 | つれづれ

山 瞳が洗われる




乾いた瞳に、山の空気の水が流れて、瞳が洗われる。
by moriheiku | 2013-08-15 08:00 | つれづれ

ヒグラシ



ヒグラシの響く山と谷が、遠くないことは幸い。

姿の見えないウグイスが響いて、ヒグラシが響いて、
腕は山の空気の水をかきまぜながら、
緑の山を下る。
by moriheiku | 2013-08-14 08:01 | つれづれ

あたりまえの街



ありふれた夜の乗用車のハザード、高架のカープ、側溝のコンクリートの欠けですら,
どこを見ても美しく見えてどきどきするこの景色が、

私のあたりまえの風景になり、その美しさに気づかないようになるまで、
この街に住みたい。
by moriheiku | 2013-08-13 08:01 | つれづれ





谷にけむる白。

水墨の世界に匂う夢のようだ。

谷の白梅。
by moriheiku | 2013-03-07 08:01 | つれづれ

ジンチョウゲ



ぱお(実家)の小道に沈丁花が香り始めた。咲きかけの。

ぱおでは丁度私の誕生日あたりに満開になる花。
寒い日が長く梅の花は遅れた。
沈丁花の開花は梅ほどは変わらず。


春はぬるくて、自然はどこもわらわらとして、
それで私は冷えた澄んだ空気を探してそちらへ顔を向けがちだけど、

大気の中に混じる新しい花の香や、
少し先に山中に匂う山藤の枝に心をとられて、
知らない間に次の季節へ足を踏み出している。
by moriheiku | 2013-03-07 08:00 | つれづれ