つづき 社会体制の変化とともに、共同体の形がかわった。 生産力は向上し、職の分業化が進んだ。 支配者層に近いところでは、 荘園を守るための専門武士集団の発生もその一つ。 寺の領地のそれにかわる者達は僧兵。 神社では、神人の一部も、それにあたる。 武士のぶしは、山野を往来した野ぶし山伏のぶしからきている。 職の分業化は、もちろん武力に限らない。 里に下りた山岳系の者は、 呪術、(神事)芸能、卜占、土木、工芸、医術、薬術、などの職で 神人として大きな寺社に属した。 神道と仏教が混合した形で肥大した浄穢観念のもとでは、 例えば病人に接する仕事、死者を葬る仕事をする人々、 つまり、本来ケガレを祓う人々は、 ケガレに接する人々、ケガレに近い人々である、 と認識がうつっていた。 神人は、それらの面を請け負う者たちでもあった。 彼らは、 ケガレを祓うもっとも聖に近い存在で、 ケガレに近づくためもっとも穢に近いものとという両面を 併せ持つものに認識された。 宗教と芸能民と職人は根は同じ根にあり、 この頃は、まだ未分化だった。 つづく
by moriheiku
| 2008-09-21 08:01
| 歴史と旅
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