つづき 山岳の修行者は修験道と密教の両方に重なって、 修験道の行者(山伏、修験者)は、 論理も重んじる純密(天台宗、真言宗)の僧より 実践的な傾向が強かったようだ。 民衆に仏教が広まったのは、 官寺の僧によってでなく、 山岳系の系譜にある僧や山伏(修験者)、比丘尼、聖(ひじり)ら、 諸国を遍歴する宗教者たちの働きによる。 勧進も重要な要素だった。 山岳系の僧や行者(山伏、修験者)、聖(ひじり)などは、 古い自然信仰と密接で、そうした宗教的発生の経緯から、 呪術(まじない、祈祷)や、医薬の知識を持つ者が多かった。 里の季節の祭礼や、病の時の祈祷、雨乞い、 また山で採れる薬草、その調合薬を持って 里の人々と交わった。 百草丸、陀羅尼助、煉熊丸など、現在もある和薬は、 弘法大師(空海)が作った、役行者が作ったと いわれのあるものが多い。 山岳の修行者らが作り、 持ち運んでいたものと考えられる。 越中富山の薬売りのルーツは、和薬と縁の深い白山の修験者(山伏)とも言われる。 中世になると、唐人が渡来の薬種、漢薬の流通に関わっていた記録がある。 ・2008/07/11 神仏習合思想と天台本覚論 03 ・2008/07/11 神仏習合思想と天台本覚論 04 ・2008/07/12 神仏習合思想と天台本覚論 05 原型の仏教では不浄とされる女性、 非情である草木も救われる天台本覚論。 薬の流通 ・2009-01-30 中世芸能の発生 57 遍歴する人々と外国 山人と薬 ・2008-09-26 水波之伝 ・2009-01-31 中世芸能の発生 58 天皇と山人 ・2010-04-08 中世芸能の発生 303 日本料理 湯屋 湯聖(ひじり) つづく
by moriheiku
| 2008-09-21 08:00
| 歴史と旅
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