夏の暦


つづき

先生の自然居士の出だしには合わせることができなかった。

出だしでひとことおっしゃった謡の部分は、たぶん

とてもの事に鞨鼓を打つて 御見せ候へ もとより鼓は波の音 寄せては岸を どうとは打ち 雨雲迷ふ鳴神の とゞろと鳴る時は 降り来る雨ははら/\と 小笹の竹の 簓をすり 池の氷のとう/\と 鼓を又打ち 簓をなほ摺り 狂言ながらも法の道 今は菩提の 岸に寄せくる 船の内より ていとうと打連れて 共に都に上りけり/\ 




まだ暑さが終わらないけど。

列車の窓から見た早い稲は、穂の頭を垂れはじめた。
“鳴神の とゞろと鳴る”稲妻も、これからが本番だろう。


夕方の少し前にようやく吹く風に、
草の中のテッポウユリは揺れている。



金剛(雷)と鞨鼓。
ちょうど夏の暦の間だっだ。



今年は
5/5が、立夏。
8/7が、立秋。



もう大気は、夏の、水の香とは違う。



・2008/06/08 夏の羯鼓
・2008/05/23 葛城 金剛 01



─── <夕食> ────





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by moriheiku | 2008-08-20 08:00 | 音と笛のまわり
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