曲の姿


つづき

お稽古では、
カカリ、初段、二段、三段、と、
一度のお稽古につき(小説でいうなら)一章節づつ進む。

初段と二段がまったく同じでも、一度につき一つ、段を進む。

曲の最後まで進んで、最後の留メかた(終わり方)がいくつかある時は、
まず一つの留メかたで終わる。
次のお稽古で違う留メかたで終わる。

できてもできなくても、一つづつ進む。


羯鼓(羯皷)の留メは唱歌の本に、
呂留メ、ヒシギ留メ、コイ合留メ、の三つが並んで書いてある。

今回羯鼓の自然居士で、ヒシギ留メだった。
次のお稽古で、次の、コイ合留メをするのかと思った。


自然居士を吹いたあと、先生が違う本を出された。

神舞。


羯鼓、終わるのか。

これで。




前回のお稽古には違う先生がいらして、
羯鼓の具体的な注意点をうかがった。
ぜひお稽古ではそれをある程度クリアーしたかった。

具体的な注意点をうかがえたことは、すてきな経験だった。
教えていただいた点は、曲のごく基本的なことの
さらにほんの一部だろう。

でも私にとってはこのことは、、

例えばここに、ただの丸木の材木があるとすると・・、

丸木のここをちょっと、コンコンッと削り、
こちらがわもコンコンッと打ち、
それからこちらの面もちょっと打つ。

すると、ただころがっていた丸木が目の前で、みるみる造形になる。

生き生きしてくる過程を見ているようだった。

注意点に気をつけると、
曲の姿が立体になってあらわれてくるみたいだった。


ああ、そういう曲なのか!って。
私にも。

ほんの基本でも。

つづく


─── <夕食> ────





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by moriheiku | 2008-08-18 08:00 | 音と笛のまわり
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