イラッ



「もとよりつづみはなみの ヤ ハ ヨーイ ヨー ホー イヤー」
とおっしゃった。吹き始めることができなかった。


先生は途中でおやめにならないし、
一回のお稽古で吹くのは一度きりだから、

わたしは今日、
先生の拍子だけを最後まで聞いて、
一音も吹かずに帰る。

と、思った。

それならそれでいい。


腹をくくったところ、
途中先生が出だしのイヤーと唱歌をおっしゃたので、
そこから吹いた。



前々回は羯鼓(羯皷)、自然居士の出だしを、
「もとよりつづみは ヨー の ホー イヤー」
で吹き始めとうかがった。

前回だけいらした初めてお目にかかった先生の出だしは、
「ヤ ハ ヨーイ イヨー ホー イヤー」
で、吹き始め。

前々回うかがったのと違って
謡とかけ声の混合でなかったので !? と思ったけど、
かけ声と拍子でとうかがえば、出だしには特に迷わなかった。


今回は、
「もとよりつづみはなみの ヤ ハ ヨーイ ヨー ホー イヤー」。

私は前々回先生にうかがったように、
「もとよりつづみは ヨー の ホー イヤー」

で出ようとしていた。けれど。
前々回より、字あまり、というか拍子あまりに思い、
入る場所を迷った。



先生がイラッとされたのが伝わる。

私は、前回のお稽古で、違う先生に、
注意点を具体的に教えていただいた箇所、
そこを全部、
気をつけて吹きたかった。

けれどイラッとされたことに気をとられ、
急に吹き始めて音も出づらく、
注意箇所だけに気持ちを向けることができなかった。

ただ吹くだけになった。


たぶん、この出だしは謡を聞いて判断するより、
かけ声で判断するものなのだろう。

先生と前回の先生と、同じ曲の同じかけ声と思えないほどまるっきり感じが違う。
けれど最後に「ホー イヤー」という言葉(声)があるから。
吹く時はそういうところを聞くのだろう。
いつもそうかどうか、わからないが。

つづく


─── <夕食> ────





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by moriheiku | 2008-08-17 08:00 | 音と笛のまわり
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