地形 03




つづき


丘陵のてっぺんを、ぐるりとむこうへまわった。

まさか今日、こんなところを歩いているとは。足、イタ。


むこうへ出ると、開ける方角が変わり、空気が変わる。
緑が多く素敵な家も多いが、
住みたくはない。

昼と夜の境の時刻だからか。
彼岸此岸の境のような、へんな現実感のあるところ。
造成のすき間に、異空間。


ぐるぐる感に簡単にひっかかってしまう。

不規則にめぐる小道たちは、先は見えず、
普通に進んでいると、いつのまにか行き止まり。
そればっかり。



丘から見える学校の校庭は運動会を控え、
紐で色とりどりの三角の旗がわたっている。

楽しそう。でも、にせものっぽい。


住宅街は、
きれいそうで、うっすらけがれていて、
のんびり静かそうに見えて、底にざわつき。




あっちの坂の上に円筒型の石造りの棟の上部が見えた。

ありゃなんだ?


コンサートの時間は・・ 急げばまだ大丈夫。



塔へ続く最短かと、狭い小道の階段を上がると、
また行き止まりで引き返す。
あー見えども、着けず。



どうなんすか。この町は。
狭く閉じてませんか。
なんでしょうか、
迷路や、京都伏見の伏見稲荷の山プチ版みたいな閉じ感。

時代ごとに積もったつくり。

自分が封じ込められた気がする。

トリックのように。

ふん。


もう会場に戻ろう。





─── <夕食> ────







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by moriheiku | 2007-10-03 08:02 | つれづれ
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