パオ(実家)で、昔使っていた古い弓に触れた。 袋から出し、竹にさわった。 少し、そして ぐっと弓を反らし、弦を張った。 大丈夫だ。 長く使っていなかったかけは、 一度右手につければ、手首に巻くもそう抵抗はなかった。 鹿の革のにおい。 鹿革のにおいはやわらかくて、 なめした革もやわらかく、 そうだ、私は、鹿革はきらいじゃなかった。 小瓶に松脂を取り分けてあったのがそのままで、 かけの親指あたりに、小瓶の口元の松脂をつけ、ぬぐった。 好みの羽の矢をたんねんに選んでいたあの頃の。 その頃の、私の引く強さに合わせた弓だ。 ひかず、もとに片付けて帰った。 弓は、長く、うつくしい。 構えただけで、集中する。 静かになる。 家に帰ってから、射の姿勢を、何度も、何度もとった。 ・2008-08-24 弓と自然 ・2006-05-04 弓道 ・2008-08-23 無い的(まと) ・2009-06-23 しるし ・2009-04-17 中世芸能の発生 112 弓と北面の武士
by moriheiku
| 2006-07-08 08:00
| 音と笛のまわり
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