初夏の豆シーズン。 みずみずしいつやつやの黄緑、空豆やエンドウ豆を剥く。 今年、ツタンカーメンのエンドウ豆をいただいた。 お庭で栽培して朝採ったのだそう。 ウワサに聞いたことある。 ツタンカーメンの発掘品の中にあったと言われる豆で、 随分前に繁殖に成功したとかなんとか。 そんな貴重なお豆、いただいていいのー!と思わず言ったら、 ぜんぜん貴重じゃない、もう日本中で育てられてる、って。へー。 もらった苗をお庭に植えたら、すごくたくさん出来ちゃって、 とっても自分だけでは食べきれないって。 洗面器山盛り一杯分くらいもいただいた。すっごーーーーーーい。 わーいわーい。(豆好き) ツタンカーメンの豆は、 エンドウ豆(グリーンピース)と同じように、 鞘から豆を取り出し豆部分を食べるお豆だそうだ。 鞘は濃い紫色が混色している。 豆にも若干色がついてるから、 お豆のご飯にすると薄いお赤飯くらいピンクに色づくそう。 鞘から豆を、黙々と取り出す。 新鮮で鞘が割りやすい。 親指と人差し指で鞘の先をパキっと押し、開いた鞘の間に指を通すと、 それまで鞘に守られていた豆が、ぽろぽろきれいに落ちる。 鞘はゴミ箱に捨てるのがしのびないくらい、まだ光っている。 何にしようかな。 最初はやっぱりお豆の味がよくわかるように、淡くひたしたお豆。 豆の旬のお精進。おいしい。 ああ、グリンピースと違う。 もうちょっと野性的。いいね! 次は、じゃがいもと一緒にスパイス煮。 エジプト由来ということでスパイス。 いつもは普通のエンドウ豆で作るレシピだけど、 この豆の野性的な複雑さが、スパイスにすっごい合う。 力強くて、でもすっきりしてて、それでとても洒落た味がするーーー。ナイス。 白ワイン、合う。 であとはトマトと白和え、それから卵でとじて、 案外すぐなくなっちゃった。 このツタンカーメンのエンドウ豆自体がもともとそういうものなのか、 できた土地と人の出来映えなのか。 いただいたツタンカーメン豆は、 日ごろ食べるお豆より野性的で、でも案外すっきりした味だった。 お料理する気のわくお豆。 これは 養殖の鮎と天然の鮎の違い。 ブロイラーと野禽の違い。 日本中で栽培されるようになったというツタンカーメンのエンドウ豆。 それが本当にツタンカーメンのお墓の中で発掘された豆を 繁殖させたものかどうかよく知らないけど。 ともかくおいしいものの伝播力ってすごい。 かつての、交通や情報が現代より少なかった時代に、 南米アンデスからあっという間に世界中に広がったジャガイモやトマト。 中央アジアあたりが原産らしい小麦。 インドから広まったナス。 ほか、柑橘類、大豆、さまざまの食物。 ものも人も、こーんなに伝わっていくのねー。
by moriheiku
| 2012-05-30 08:00
| つれづれ
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