中世芸能の発生 412 キ(木) 毛(ケ) キ・ケ(気)



つづき


昔の人は、キ(木)は、自然のキ・ケ(気)の表れだと思っていた。

神話に、木は神の毛(ケ)と書かれた。
神の概念ができてからの神話には、そういう表現で書かれた。

それは昔の人がキ(木)を、
大地や自然のキ・ケ(気)の表れと感じていたということ。

大地や自然の生命力(=古代の人にとっての霊力)が盛んなら、
土地の草木は青々と旺盛に生い茂る。


人の毛も同様で、
例えば毛がふさふさなのは、
その人の命が盛んで気が満ちている状態と考えた。

病を得たり年をとったりして、生命力が弱まると、
髪が細くなったり抜けたりする。


つまり土地や自然にある力や性質キ・ケが、
土や人を通って顕在化したものが木(キ)・毛(ケ)。




古い詞章や歌に、土地の自然が盛んなことが詠まれてきた。

土地の草木が生い茂り、瑞々しい山河に生物が満ち溢れる状態が、

国土(土地、自然)が生命力に溢れた神聖な状態なのであり、
その状態は結果としてケガレ(穢 ケカレ 気枯れ 気涸れ)も祓うことになる。
と考えられた。


それで昔の人々は、
自然の盛んなことに寄せて、
人の命も盛んであるように、営々と祈ってきた。

繰り返しつづいてきた繰り返しつづいていく自然に寄せて、
命をことほぐ(言祝ぐ 寿ぐ)予祝・祝福の伝統。

日本の古来の芸能の歴史だ。





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つづく
by moriheiku | 2011-09-05 08:00 | 歴史と旅
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