シイの花 照葉樹の山



毎日山の緑が濃くなる。

この間まで若い緑だった木は、数日のうちに濃い深緑色になった。

同時に山中の白っぽい色は、いっそう浮きたって見える。



山に白っぽく見える木々は、春の山桜の桜色よりうんと多い。

その白が山の表を一色にうめつくすことはないけれども
多い割合を占める。



遠目にも白っぽく見えているのは、
この山を構成している主木である高木が、白い色をしているから。

あの白っぽい色は、この時期の
シイ(椎)やカシ(樫)の満開の花の色。



画一的な緑色の人工林とは異なる、にぎやかに混じる緑色に、
多様な命が育まれていることが、目にも知られる。



この山は古い山の匂いがする。
自然がくりかえし更新してきた、常に新しい、みずみずしい古い山の匂いがする。

こうした照葉樹の山が近くに残っていることがかけがえなく思われる。幸福。





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by moriheiku | 2011-05-12 08:00 | つれづれ
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