中世芸能の発生 372 今様 時代背景


つづき


今様の時代背景。

『完訳 日本の古典 第34巻 梁塵秘抄』から。概略。まとめ。


今様が流行したのは、
藤原摂関政治がかげりを見せ、進出する受領階級と結んだ院政の時代。

武士の台頭、僧兵の強訴など騒然たる動乱の時代。


『梁塵秘抄』口伝集の最終巻、巻第十の頃、つまり今様の時代末期は、
保元・平治の乱から平家全盛を経て、源平の争乱の真只中だった。

飢饉、疫病、大地震、台風、大火などの災害の頻発と、
政治経済の転換期の社会不安の中、
永承七年(1052)、仏教で言われる末法を迎え、貴族を中心に浄土信仰が広まった。

こうした災害や疫病の流行は、政治的に不遇だった者の怨霊のしわざとされて、
それをおさめるために朝廷、民衆ともに、
御霊会(ごりょうえ)、やすらい花など盛んに行った。
(祇園御霊会、紫野今宮のやすらい花など)

御霊会ややすらい花は、歌舞をもってこれらをおさめる、芸能の場でもあった。

“『傀儡子記』『新猿楽記』『遊女記』などに、当時の様々な芸能の姿が公家によって漢文で書き留められているが、雑芸(ぞうげい)とされるこれらの芸能は、民衆のエネルギーの発露として活況を呈していたのである。まさに中世の夜明けというべき時代であった。”



参考:『完訳 日本の古典 第34巻 梁塵秘抄』



・2010-12-01 中世芸能の発生 368 今様

・2010-12-12 中世芸能の発生 376 遊びをせんとや生まれけむ



同時期の芸能 田楽 
・2009-04-29 中世芸能の発生 120 田楽
・2009-04-30 中世芸能の発生 121 田楽の起源と展開
・2009-05-01 中世芸能の発生 122 ささら

強訴
・2009-05-04 中世芸能の発生 125 田楽の音楽
・2009-10-27 中世芸能の発生 232 僧兵



・2010-12-05 中世芸能の発生 370 梁塵秘抄 概略
・2010-12-06 中世芸能の発生 371 今様 概略
・2010-12-08 中世芸能の発生 373 今様 法文歌
・2010-12-09 中世芸能の発生 374 今様 四句神歌
・2010-12-10 中世芸能の発生 375 今様 二句神歌




つづく
by moriheiku | 2010-12-07 08:00 | 歴史と旅
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