新しいことを取り入れてこそ伝統、ってテレビなどで時々聞く。 そうなのかなー、と思いながら聞く。 芽を出して、葉が出て、花が咲いて、花は散って、 実をつけて、枯れて、土や水になり、種は眠り、芽を出して・・、 繰り返してイノチを続けていく自然を見ていると、 同じことをくりかえすこと、 ひとりひとりが、ある同じことを繰り返して人生をおくることは、 伝統に近いもののように感じられる。 あれやこれや新しいことを取り入れなくても、 ひとりひとりが人生を生きることが全体として繰り返され、 引き継がれて、伝統になるイメージ。 そうして同じことをくりかえすだけでは伝統ではないのかなー。 個性を否定しているのではなく、 たとえばサクラの花もひとつひとつ全て違う花であるように、 くりかえし寄せる波が全部違う波であるように、 同じことをしても、ひとりひとりにとってははじめての、一度のこと。 同じことをして、ひとりひとりの人生を生きること、 その一度をくりかえすことは伝統にならないのかしら、 ってぼんやり思うことがあるけど、 よくわからない。 新しいことを取り入れてこそというのは、 生育環境が変わると、 動物や植物がそれに合わせて変化し、生き延びるように、 伝統も、変化する環境に合わせて新しいことを取り入れて、 変化に対応し消えずにイノチをつなげていくことを言っているのかな。 新しいことを取り入れてこそ伝統、とおっしゃる方々は、 私の考えの及ばない伝統についての実感を持たれているのでしょう。 電車の扉のところに立って、 ガラスに貼られた広告をよけて外をぼんやり見ながら、 わかんないことが、 ぱらぱらっと心に浮かぶ。 ・2010-02-12 中世芸能の発生 293 ヨ ・2010-02-03 命の全体性
by moriheiku
| 2010-11-15 08:00
| つれづれ
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