○○と書いて○○と書くっ!



つづき


三千院でお庭や展示物を見ながら隣の棟へわたる短い廊下を歩いていると、
廊下の庭に面した側に年配の男性がいらした。

よくいるカメラが趣味の男性のようだけど、どこか不自然。
大きな望遠レンズを熱心にのぞきつつ、
廊下のすぐ脇の低木にレンズを埋めようとされているような。


ふうん。


後から見た。

顔は庭園を撮影しているような方向を向きながら、
手はこそこそ別方向へレンズを向け、低木の葉のかげに隠そうとされてる。
レンズの先は庭でなく庭に面した縁の内側。
室内で楽しげにお話ししているお年頃の女子2名。


湖上の鳥を撮影するほどのその望遠レンズで、
何を撮影されてるんですか?

男性の真後に立ってみた。

それをなんて言うか知ってるか。

漢字で「ぬすむ」と書いて「撮る」と書く(←ああまどろっこしい!検索よけ)。



腹ばいになるようにレンズをかくしている男性。
すぐ真後に立ち見おろす私。

気付いた。ああ、まだ止めないか。いかんせん私、迫力不足。くうぅぅーー。


あ、やめた。
レンズはそのままで、お庭を見ているフリをするか。。
(それすごくムリあると思うけど。)

でレンズを見おろす私。
葉の間からレンズを抜いて三脚ごと移動されて行った。

広間でうろうろされているのを廊下から見てた。
しばらくしてあきらめて他所へ行かれたみたい。


私も気分を入れ替えて隣の棟へ。展示品をゆっくり見て感動。
廊下へ戻った。するとまたあの男性が。
同じ場所でこそこそと。

女の子たちもまだおしゃべりに夢中ぅ~><。


個人の趣味で隠れて撮られる気味の悪さがわからないかーっ。
ガラガラガラドッシャーン ←イナヅマ
そりゃわからないから撮るのでしょうけれど。

やましくないなら堂々と撮れ。さりげなく撮れ。
あるいは彼女たちに断って撮れ。
その撮る腕がないなら撮影会で撮ればいい。

と心の中で。ああいやっ。私も卑怯っ。



伏せるようにして熱心に
じっくりレンズをのぞきつづける男性の真横に立って見おろしてみた。

あ、気付いた。(そりゃ気付くって) あ、やめた。

3歩ほど後に下がって男性を見てた。
レンズを抜いて去っていかれた。

こんどは広間からも出て行かれた。




ここはたしかに観光地ですけど。
信仰のお寺でそうしていること、恥ずかしく思うことないか。

そのために、お寺の庭に三脚を立て、
庭木はレンズを埋める道具にすることに躊躇ないか。


開放されているところは、自分のしたいこと何をしてもいいところ
というわけじゃないぞ。
人もそれと同じでしょう。



ああああああああ、私自身ろくでもないのに、
人様に何か言えるような人間じゃないのに。

この方も絶対良いところのほうがうんとおありなのに。
ご趣味おじゃましてごめんなさい。

葛藤。



絵巻に感動したことと、このことの後悔、
今回の三千院の一番の思い出になっちまったぜ。。。




・2010-07-14 カミナリ




つづく
by moriheiku | 2010-10-08 08:00 | 歴史と旅
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