中世芸能の発生 146 仏教文学



つづき


仏教公伝は6世紀半ばだが、
それ以前から仏教は日本に入っていた。

国家や貴族はもっぱら、
インドや、インドから中国に入った仏教を手本とした。

対して、
奈良時代もしくはそれ以前から日本に伝わって
庶民信仰として根を下ろした仏教は、

寺院や荘園ももたず
遍歴と乞食によって生活する聖、遊行僧、優婆塞・優婆夷・比丘尼・巫女たち、
勧進の説教唱導によって広まった日本化された仏教だった。



民間に仏教を布教した宗教性をおびた人たちは、
人々を作善を積ませ勧進へいざなうために、
経典の内容を日本の庶民にとって身近な題材に重ね、
物語や画、歌舞にして説いた。

それはもともとあった神祇信仰など民俗信仰と融合した仏教だった。


この宗教者たちが説教唱導で語る物語(説話)が発展し、
仏教文学の主流になったと考えられる。



参考: 『寺社縁起からお伽噺へ』 五来重



つづく
by moriheiku | 2009-06-11 08:00 | 歴史と旅
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