中世芸能の発生 96 夢解き



つづき


夢が影響力を持っていた中世頃は、
見た夢を解釈する「夢解き」がいた。

ゆめとき 【夢解き】
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夢の内容を解釈して吉凶を判断すること。また、それを職業とする人。
(Yahoo!辞書 大辞林)
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中世、
武家も貴族も市井の人々も夢解きに、
見た夢を解釈「夢合わせ」をしてもらっていた。

夢解きは巫女が多かったようだ。あと陰陽師や僧とか。

『夢語り・夢解きの中世』では、
春日若宮の巫女はわざわざ龍女という女に夢を語っていることから、
巫女と夢解きに何か区別のある可能性についても触れられている。




中世には、
夢は神仏からのメッセージと考えられていた。
また、夢は、死者と会えるところでもあった。

中世では、死者は、死んだ時の姿で止まってはいない。

死者は、現実の世界に居る我々と同じように、
死者の世界で時間を過ごしている。
と考えられていた。


死者は“夢の通路を伝って”会う、
別の世界の住人だった。

中世の人々にとって、
夢の世界は、ただのまぼろしでなかった。
夢は生きている人々の世界と同じくらいの比重を持つ別の世界をつなぐ通路なのだ。



参照: 
酒井紀美『夢語り・夢解きの中世』



つづく
by moriheiku | 2009-03-31 08:00 | 歴史と旅
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