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白梅




一月の終りの方に、ようやく好きな神社へ行った。


木や水や土や岩やそこにある無数の命がひとつになった清浄な山のにおいが、

からだの底まであらって、

わたしはあたらしい空気と入れ替わる。


肺の中まできれいにする。

冷えて澄んだ空気が好きだ。




石段を下まで下ったところの右少し奥に、

白梅が数輪咲いていた。

今年最初の梅の花。梅花の香。
by moriheiku | 2015-02-01 08:00 | つれづれ

川面 冬



引き潮の河口は広い浅瀬となって、
水底に潜っている石が、ぽつんぽつんと頭をのぞかせてる。


人の頭ほどのその石のひとつひとつに、
一羽づつ、鴨が乗ってる。


石を分けて流れる水と石と鴨を、
鉄橋から見てた。
by moriheiku | 2013-12-01 08:00 | つれづれ

海 電車



日本中にあるなんでもない家やお店の続く街中をしばらく走ると、
街に海の気配がしてくる。

車窓から海は見えなくても、海が近いとわかる。

数分ぼんやり乗っていると、家々が減り緑が増え、時々南に一瞬光るのは海。

ふたつ目の駅を過ぎて、
駅近くにせめぐ家並を過ぎたら一気に松と海。

遠い岬にかすむタンカー、マリーナのヨットのセールの林、黒い松のシルエット。

線路脇の雑草に風をおこして走る海沿いの電車の、
いつもは山側の緑を私は見ているんだけど、

今日は海を見たよ。
by moriheiku | 2013-08-18 08:00 | つれづれ

水の印



空気はカラカラ。
昨夜、夜の内に弱雨があるかもの予報を見たが、
朝起きて玄関を開け外を見ても、地面に濡れたあとはなかった。
乾いたのかも。


青い空に長く飛行機雲を引いて、飛行機が飛んで行く。
上空の湿度の高い印。

あんなに上の秋色の空は、今日は水気が多い。
by moriheiku | 2013-08-17 08:00 | つれづれ

山 瞳が洗われる




乾いた瞳に、山の空気の水が流れて、瞳が洗われる。
by moriheiku | 2013-08-15 08:00 | つれづれ

ヒグラシ



ヒグラシの響く山と谷が、遠くないことは幸い。

姿の見えないウグイスが響いて、ヒグラシが響いて、
腕は山の空気の水をかきまぜながら、
緑の山を下る。
by moriheiku | 2013-08-14 08:01 | つれづれ

生きものと土地




用事で京都。
市内をタクシーに乗って、少しうとうとし、
目を覚ました時タクシーが東西南北のいったいどちらへ向いているかわかんない。
けど運転手さんの頭の横から、フロントガラスの向こうに東山が見えると、
ふーと身体が落ち着く。

東山の山々のシルエットを描けといわれても描けないし、
東山のふもとの左京区に住んでたんだから、
東山のシルエットを俯瞰することはあまりなかったはずだけど、

身体のどこかに、東山の気配が刻まれていて、
東山を見ると私の何かは落ち着く。

風光明媚な嵐山の、西の山々を見てもなんともない。

東山について心では特に何にも思っていないのに、
土地は身体に刻まれてる。

比叡山の形だってどうだったかなってくらいだけど、
北東の比叡山の形をみれば身体は満ちる。



今住んでいるところは、
今までで一番長く住んだことになるのかも。

ここでたくさん学んだ、ここに育てられたから、
ここの虫や草や石や川のように、
私はここで生きてここで死ぬ。

他の人に、わからない、と言われる。


国を捨てる人の思いはどういうものだろう。
ちぎれるような思いか、刻まれたなつかしさか、憂鬱か、
自由な未来へ向かおうとする渇望か。
どうしようもできないいろんな思いがあるんだろうな。



これは執着か。

だって刻まれてるんだもん。
私はその一部で、それは私の全部で、分かてない。
感情より前のものということだけなんとなくわかる。
理性で考えれば、良い場所ならどこでもいいと思うのだから。


たぶん犬や猫のテリトリーとか、
渡り鳥が毎年同じ方向へ行くための構造とか、鮭が川に戻るとか、
そういう動物の、普通の構造に似た、生きるための仕組みなんじゃないかな。






・2009-11-13 山
今はすっかり市街地で交通量も多い古くからの道を歩いていて目を上げると、
その先には、ある山のピークがあり、
この道はあの山の頂の方角を目指していた。

この道を歩く人は、あの山の頂を目印に道を歩いていたことがよくわかる。
道は山の麓を通ってさらに先へ伸びる。

こうした道はそこここにある。

現在この道の左右にはビルや建物が建ち並んでいる。
信号や建物に目が行って、道の先の
建物の間になった山の存在感はとても薄い。
今の人にとって道の目印は建物や標識。

建物などなかった昔は、
島や岩、山や木などが目印になった。

海上からも、陸でも。

人や車通りのうんと少ないごく早朝に家を出る日は、
山が息をしているように鮮やかに、晴れやかに見えて、
私もうんと先のあの山の頂を見て歩く。
by moriheiku | 2013-08-14 08:00 | 歴史と旅

クスノキ

上までヤマフジが巻き付いて、
今時期は木の表面にたくさんのヤマフジの豆が下がってる
大きなクスノキを見上げた。

立派なクスノキ。
無数の葉を濃い緑に茂らせているクスノキ。


この木の前でこの木が立派だと感じるのは、
ヤマフジのような別の木に体を貸すことに犠牲や奉仕を重ねるからではなくて、

まず、ただただ、
ねじれのある太い幹、大きく張った枝
無数のつややかな葉をつけているクスノキに、命の力の発揮を浴びる心地だから。

立派だなあ。すごいなあ!

感嘆するし、圧倒的なすごさにこわくもなるよね。



樹木の多かった日本では、
巨樹は、命の力の発現そのもので、
人は巨樹に、圧倒的な祝福感と畏敬の念を抱いてきた。

宗教が形作られていくと、
こうした特別な木には標(シメ)を張って祝うようになっていった。

このパターンはもちろん巨樹に限らない。
今も自然物を対象にして多く見られる。




私たち(日本人)の信仰の根元は、
教義から始まっているのでもないし、
タブーから始まっているのでもない。
教祖から始まっているのでもない。

取引がはじまりでもなく、約束がはじまりでもなく、
ただただうした自然の実感が根元にあって、

それに社会性や形式、様々の宗教の衣をまとって分岐していったものが
いまに至るまで古来の日本の信仰のかたち。



あちこちでこうした木々に穴をあけて、
薬剤を流しこみ枯らす思いは何だ。
by moriheiku | 2013-08-13 08:00 | 歴史と旅





谷にけむる白。

水墨の世界に匂う夢のようだ。

谷の白梅。
by moriheiku | 2013-03-07 08:01 | つれづれ

ジンチョウゲ



ぱお(実家)の小道に沈丁花が香り始めた。咲きかけの。

ぱおでは丁度私の誕生日あたりに満開になる花。
寒い日が長く梅の花は遅れた。
沈丁花の開花は梅ほどは変わらず。


春はぬるくて、自然はどこもわらわらとして、
それで私は冷えた澄んだ空気を探してそちらへ顔を向けがちだけど、

大気の中に混じる新しい花の香や、
少し先に山中に匂う山藤の枝に心をとられて、
知らない間に次の季節へ足を踏み出している。
by moriheiku | 2013-03-07 08:00 | つれづれ