栗のピュレ


お菓子作りは料理と連動していて、

料理で以前ちょっと面倒に感じていた湯煎も、
お菓子作りでたびたび湯煎するために、
さほど面倒でなくなったのはよかった。

私は卵の白身を使ったお菓子をわりに作るので、
残りがちな黄身を使って、湯煎で黄身酢などたびたび作る。

甘みのないブリゼ生地で小さな土台だけ余分に焼いておいて、
その土台に野菜でもなんでも入れてちょっとソース類をかければ、
キッシュまではしなくても、
プチフールのようなつまめるお料理ということになるし。

お菓子のため金柑を煮ていくつか瓶詰めにしておいたのが、
和菓子洋菓子だけでなく和食に使える。


マロンピューレが一缶残っているのを使ってしまいたい。
栗はお菓子より料理に使ってあるほうが好きだけど。

栗をペーストにしたもの、鶏肉と使おうか、でもぜんぜん季節じゃない感じ。
クリームに使おうか。
それともそうそう、和菓子のあんや蒸しものに使って、

それからクルミやピーナツやゴマの和え衣のように、
青い菜と合わせて使ってしまおう。
西洋の栗だけど。
# by moriheiku | 2011-05-18 08:00 | つれづれ

牡丹



ぱお(実家)の牡丹の花は終わり、

芍薬の花は、思わぬ強い雨に打たれて、
地面近くにたおれたのがあった。

母が「持っていく?」と聞いたけど、
晴れたらまた起きるかもしれないから
「いい。起きるかもしれないから」と答えた。
母は首を振ったけど。


やっぱり雨に打たれて折れてしまったバラの花があったのが
室内の水に挿してあったので、
帰るまでの時間その近くに座っていた。

八重の赤いバラで、
調香した香水のような芳香で、
その姿のような香りをしていた。
# by moriheiku | 2011-05-17 08:00 | つれづれ

夏の食卓



立夏すぎて、食卓は一気に夏の色になってきた。

春も夏も実は苦手。一番好きな季節は十一月頃。
だけど、夏の食卓の色合いは好き。

さっと酢にくぐらせたものや、
余白を取った盛り付けや、
そういうものが。
# by moriheiku | 2011-05-16 08:00 | つれづれ

出会わなかったことば



そういえば昨年度の下半期の占いで、
ことばのきれいな人と出会う、ってあった。
出会わないままだったな~。

あみだより簡単な、ガチャガチャのようなクリック一つのような
ごく簡単な占いだったけど、
なんだかめずらしい占いの結果で覚えてた。


美麗なことば遣いでも、丁寧でも、美文でも、声が良くても、
にごった心の発することばはにごっているから、
きれいなことばの音のする人に出会うといいな、
と思ったのだった。


想像のつかない人。
そういう人は、どんな人?
聞けたことばの色は、どんな色?
# by moriheiku | 2011-05-14 08:00 | つれづれ

こぬれ(木末 梢)  夏五月




甘い水の匂いのする今時期の山。

緑の木々の間に、アジサイに似たさわやかな白い花が揺れている。


スイカズラ科。ムシカリ。


細く張りのある茶の枝がアーチ状に延びて、

山中の緑の木末(こぬれ)の間に、控えめな白い花飾りを作る。






『万葉集』。夏五月。

神亀二年乙丑の夏五月、吉野の離宮(とつみや)に幸しし時。
聖武天皇の吉野行幸の時、同行した山部赤人の詠んだ歌。

-------------------------------------------------
巻第六 九二四
み吉野の象山(きさやま)の際(ま)の木末(こぬれ)にはここだもさわく鳥の声かも (924)

み吉野の象山のあたりの梢(こずえ)には、多くさえずり合う鳥の声がひびくよ。

・ヌレ・ウレは末端の延びる部分。
-------------------------------------------------
参考:中西進(著)『万葉集(二)』



木末(こぬれ)。
辞書には、
こぬれ【木▽末】 《「こ(木)のうれ(末)」の音変化》樹木の先端の部分。こずえ。


万葉集、
志貴親王(しきのみこ)の御歌一首
-------------------------------------------------
巻第三 二六七
鼯鼠(むささび)は木末(こぬれ)求むとあしひきの山の猟夫(さつを)にあひにけるかも (267)

むささびは梢へ馳けのぼろうとして、あしひきの山の猟師に見つかってしまったのだなあ。

・元来「ますらを」は勇敢な男子のこと、後に一般的にすぐれた男子を意味する。
・山能佐都雄 山のさつを 幸(さち)男か。獲物を求める男、猟師。
-------------------------------------------------





・2010-10-31 水の旅 宮滝 象(きさ)山




・2008-05-06 夏の模様




山の猟夫(さつを)
・2010-03-04 中世芸能の発生 291 サチ 弓矢 狩人 開山伝承
昔「獲物」を「さち」と言い、獲物を獲る人を「猟夫(さつを)」と言った。
「さち(獲物)」=「さち(幸)」であった遠い時代の価値観と思考。

「さ」は神聖なもの(生命力の横溢するもの)についた接頭語、
「ち」はみなぎる力。
「さち」旺盛な命の力の満ちたものが「さち」幸であったこと。
# by moriheiku | 2011-05-13 17:25 | つれづれ