本、物色中



語り物の説経節の、昔の言葉を文字におこしたものはなかったかと、
ぱお(実家)へ寄ってこの家の本をながめた。

浄瑠璃はあったけど、時代が新しい近松の頃のものかもしれない。

ああそうだ、私は
古浄瑠璃と新しい浄瑠璃の見分け方がわからないんだ。
浄瑠璃のこと何にも知らないんだもん。
ハッハッハ。私は何にも知らないのだ。


一冊一冊本を開いて見ていられない今回、浄瑠璃はパスし、
図録や資料の写真が豊富な本など、ぱらぱらと見て帰ってきた。


説経節、古浄瑠璃のものは借りることができなかったかわりに、
いつもの『完訳 日本の古典』シリーズの、
『謡曲集』二冊と『日本霊異記』『梁塵秘抄』を借りて帰った。

小学館で昔配本されていたこのシリーズは好きー。
原文、注釈、現代語訳、解説、全て充実している。
密度が濃い。注釈は宝の山。


爆発的に売れることのないこうした本を、
熱を持ち時間をかけて丁寧に作ることは
古い出版社の誇り、矜持かと思う。

他の本で読んでも、結局戻るのは、
私にとってはこの本だったりして。
(これより古いと、字が古すぎて読むのが苦労;)



謡曲集にはお能の演目が四十曲くらい掲載されているみたい。
あ~もっとのせてくれたらいいのに。ざんねーーん。

万葉集のように数冊以内で済めば、全部掲載されているんだけど。
謡曲全部だとそれだけで十数冊になるし(それじゃ謡曲全集)、
ムリだったか。


手に持った『日本霊異記』を見てぱお母(母)が、
「もっと薄いのがあるでしょ。」と言ったが
「ううん、解説と注釈が見たいの、だからこれ借りる。」と言って借りてきた。

しかし、これらを私はいつ読むの。

中世史の本を数冊併読中で、
あと8冊くらい未読のものが控えているのに!


謡曲集を手に取るなんて、思わなかった。

そもそも説経節や浄瑠璃の古い言葉と調子、
中世語り物の発声について知りたかったはずなのに。


うーん、さすがぱお母。
確かに・・ ただスペースをとるばかりになりそう。
by moriheiku | 2008-10-16 07:59 | 言葉と本のまわり
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