中世芸能の発生 02 幣帛



つづき

古代の人々にとって、
神々は、常に表に常駐しない。
ある時見えて、あるときしずまる存在だった。


自然と密だった古代の共同体では、
神(自然の力)を祀ることは
命の維持と繁栄につながると信じられていた。


季節の神祭りに、
神を何かに依らせ(みてぐら)て、
姿をあらわされる場所(みてぐら)へ初穂が集められる。
それは神への奉げもの、みてぐら、幣帛だ。

みてぐら、幣帛は、
神の依り代であり、神が宿ったもの神であり、神への奉げもので、
神から分配されるものだった。



その神霊の付いた幣帛を種にすることで、
次の豊穣を期待した。


古代の自然信仰では、
そうした呪術的な作用が信じられた。


神へ収穫を奉げ、幣帛を受けるその形態は、
古来の共同体には、命に直結する切実に願われたことだった。


つづく
by moriheiku | 2008-09-01 08:00 | 歴史と旅
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