標準語ってなんだ。 日本語の共通語は、いったいいつから意識されてきたものか。 古典の言葉遣いとはなに。 いつからいつまでの言葉がいわゆる古典? 私 「江戸時代の人にとっても、お能の言葉は昔の言葉だったんですか?」 先生 「一部はそうだろうねえ。全部が全部そうとは限らないけど。」 どのくらいの感覚?その古いな、という感じは。実感してみたい。 お能のほとんどの演目は、室町時代あたりに完成したもので、 現在も、そのままに近い形で演じられているとのこと。 お能で使われる言葉は、時代なら、たいてい室町時代あたりの言葉だそう。。 だとしたら、それは、場所で言えば、 お能を完成させた観阿弥世阿弥らが活躍した京都周辺の言葉づかい? 当時の京都弁? 先日の笛のお稽古の時、先生にお尋ねした。 「オレはすでに死んでいる」…の気持ちで…。 お能の言葉は、室町時代あたりの文語(候文などの書き言葉)、 狂言の言葉は、室町時代あたりの口語(話し言葉)だそう。。 とすると。 それは当時の共通語?? あるいは当時の京都弁??ですか??? 狂言の言葉は、当時の上方の言葉が中心だろうって、教えていただけた。 ああーーーーーー !! おもしろーーーーーーーーーいっ !!! きーーーーーーーーっ !! ←ヨロコビ ピロピロピロ ←しずく(甥0才)のヨロコビ表現 古代から残る公式文書(日本書紀などの歴史書や大宝律令などの律、他)で 使われた言葉は、 つまり書き言葉の公用語だろう。 それが残された頃には共通語認識はあったってことだ。 共通語とは別に、昔の日本では、地方ごとの話し言葉はどのくらい違ったか。 万葉集の東歌、防人の歌などで、音の違いは少しだけわかるけれけど。。 地方言語が250~300ほどある国から来た留学生が、 自分は「英語とフランス語と、 ○○語(出身国の教科書に使われる国定共通語)と、☆☆語(出身国内の地方語の一つ)と、 日本語が少しできる。」って言った。 その時「○○語と☆☆語はどのくらい違うの?」って、聞いてみた。 今の日本の方言より違いは大きいことはわかった。 けど、まだその距離感は実感できなかった。 それで「今の日本語と英語ほど違う?」と聞いたら、 そういう地方語もあるし、もっと近いものもあると言ってた。 「じゃ、今の日本語と、昔の日本語くらい違う?」なんて聞いてみた。が。 相手が日本の古典に使われる言葉をよく知らない (しかも私もあんまり知らない…汗)ので、 この質問もマズかった。 逆に「○○(私のこと)は、どうして日本の昔の言葉を知ってるの?!」なんて驚かれたりして。 古語に対する認識も、お国によって様々なことを納得。 「ええーーっとォ、ラテン語を知ってるとぉ、 なんとなくヨーロッパ語の単語の想像がついたりするような感じでぇ、 今の日本語を知ってるとぉ(云々)」 なんて答えて、コトはいっそう曖昧に進み、コトバのコトは終わった。。 学生の時、授業で古代ギリシア語とラテン語を習った。 この二つは、日本人が普通の日本の古典の授業で習う言葉より、 もっとハッキリクッキリ、古典の言葉、だった(と思う…汗)。 言ったら、パーリ語みたいなたたずまい。。 ラテン語詩人でもあるラテン語の先生は、 講義中も、天から何かが舞い降りてくるのを見ていらして。別世界に生きていらした・・ ・・・・・・ ・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・ ハッ (目覚めた)、、 ま、それはいいとして。 お能で使われる言葉は、 現代語とも違う、母音が8個あったらしい万葉の頃の日本語とも違う。 万葉で候(そうろう)使わないし。 先生方(能楽師さん方)は、室町時代の言葉をある程度使うことができるんだ。 (※ 言葉というツールを使えるという狭義の意味でない) わあーーーーーすごーい。 室町時代の言語感覚を持たれてるんだ。 日本の文化にとって大切な方々だ。。 時代による言葉の距離感なんて、実感してみたい。 また何かお聞きする機会があったらいいな・・ ・・・・・・ ・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・ ハッ (再度目覚めた)、、 まあ、それもともかく。 ある言語の、とある単語に該当するものが、別言語にはないことがよくある。 感受性の違いを意味する。 また、その言葉が使われる中で生活することで、その言葉が規定する感覚を知ることにもなる。 感覚が言葉を作り、言葉が感覚を規定(生む・作る)もする。 一つの言語が消えることは、一つの歴史文化が消えることというのは、よくわかる。 お稽古、行けて楽しかったな。 肝心の吹き具合はよろしくないから涙、だけど。 男舞楽し~い!もっと男らしく吹ければいいのに。もっと上手に吹けたらいいのに。 いいことをうかがえてうれしかった。 ─── <夕食> ──── ・ ・ ・ ・ ・ ─────────────
by moriheiku
| 2006-12-03 08:00
| 言葉と本のまわり
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