えむごー 攻勢編


守勢編からつづき

 
学校を出てそう経っていないまるちゃんが、えむごーとお話をしてあげていた。

まるちゃんは工学部で修士まで居て、
いかにも、着のみ着のままで長いこと泊り込みで実験ばっかしてました、という風だった。
が現在、外部の人々と接する部署におり、
スーツなども着るようになって、お年頃の女性らしくきれいになった。

まるちゃんは、もともとすっきりきれい系なのだ。
スレンダーで長身で、なんでも着れるのだ。

えむごーが年上なので、まるちゃんは敬語で丁寧にお話してあげていた。
まるちゃんが去った後、えむごーが大声で、心の叫びを、実際に口に出した。

えむごー「まるさんが合コンをやったりしないかな。それでオレを呼べ!」

見苦しい・・。えむごー。
 
私   「まるちゃんたちも、合コンをする時があるでしょう。
     でも、いくらなんでもえむごーは呼ばない。

     だって、参加する女の子たちがかわいそうすぎ。
     来た途端、えむごーがいたら「あーーー・・・…」って。
     がっかりするさまがありありと浮かぶもん。

     歳下だから付き合って丁寧にお話してくれてるだけで、
     歳下の集まりに行けば、もてるというのは、すごい勘違い。

     お話してくれることだけで充分感謝して、
     参加なんて、そんな、かわいそうなことしてあげないで。」

えむごー「いいや、その場に行けば、オレはもてる!」

どこをどうしたらそんな・・。

私   「どうしてそうひどいことを思いつくかな。
     えむごーのお話を聞いてあげるボランティアの場じゃなくて、合コンなんだから。
     素敵な男の子来てるかな、って思ったらえむごーなんて、もう超超がっくり。」

えむごー「今夜、オレの妻が家に怒鳴り込みに行くよ。」

私   「うん。そんなアナタを男と思ってくれたってことだから、
     奥様に感謝しなさいよ。
     文句ばっかり言ってないで。

     ね、えむごーね、かっこわるいじゃーん。
     かっこわるいから、よかったんだよ。
     かっこよかったら、警戒されちゃうかもしれないよ。
     かっこわるいから、警戒されなくて、まさかこんなに下品って思われなくて、
     まるちゃんに気軽にお話してもらえるんだよ。
     かっこよくなくて、よかったね。」

えむごー「かっこよかったら、もっともててたかも。」

私   「それはそうかも。今は奥様が限界だって。
     それにかっこよくないのも、今、きっと、役に立ってるって。」

えむごー「まあね。」

私   「!」


。。。なぜ、納得している。えむごー。 ま、いっか。

浅い浅い、はるか遠浅の男えむごー、
寄せては返す波のように、泡立ち消える泡のように、
何か思っても次の瞬間には忘れ去っている男えむごー、
だからな。

たまに、なにかの拍子で記憶をよみがえらせることはあっても、基本、
人から受けた恩も忘れるが、
ひどいこと言われたことも忘れてしまう男えむごー。

がんばれ、えむごー。

良いと悪いは裏表だ。
君と付き合うには、いつもこの一瞬が大事なんだろう。
今を生かさせてくれて、どうもありがとう!えむごー。
ドー(←流汗)


私   「でもね、ここにえむごーじゃなく堂珍君がいたらどうしよ~。きゃー。」

えむごー「○○(私)が思うほど良くないけどね、堂珍。」

私   「(ムカッ。)あなたに言われたくない。
     言っとくけど、えむごー、どこをとっても、1個も堂珍君に勝ってるところないっ。」

えむごー「実物を見れば、案外こんなもんか、だって。」

私   「ありえない。」


そして、争いは繰り返される。
むなしい。むなしすぎる会話だ。

ものすごく疲れる。思い出しただけで。


さすがだ、えむごー。
さすが、永遠に寄せてはかえすを繰り返してきた波のような男だ。
大自然の攻撃は、人が軽くかわせるようなレベルじゃない。


あと、(えむごーの)豪快奥様のおっしゃるとおり。
話術を磨け。
by moriheiku | 2006-11-20 08:00 | つれづれ
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