性能のよくない補聴器



山間に霧が立ち美しい。
遠い峰ほど白く見える。


物事を音に置きかえれば、
私は、必要な音以外もみな拾ってしまう、性能の良くない補聴器のようだ。

音を聞く時、人の脳がしてくれているように、
必要な音を選別することがなかなかできないできない。

雑音もそうでない音も全部同じボリュームで聞いていて、
疲れてしまう。


人のいうことオールレシーブがっぷりよつ型なので、
人のいないところに居ると心が澄む。

森や山で澄んでいく。
ひと気から遮断されたところほど、澄みわたる。

いつも、澄ませていたい。


人間的な成長は望めないだろうけど、
自然のただ中に居るだけで、
胸が熱くなるような喜びにあふれて溺れてしまいそうだ。


神経質なところをなんとかしたいけど。

特に今、悲観的にいるのでもないんだけど。
by moriheiku | 2006-09-24 08:00 | 言葉と本のまわり
<< あききたるらし できぬ堪忍、するが堪忍 >>