犬筥をえーちゅう家に届けた。 えーちゅうが帰ってくる前に開けてしまっていいかしらとためらいつつ、 そっと箱を開けたけみちゃんが「わぁ」と言ってくれた。 それで、私も本当にうれしかった。 塗りの敷板もそおっと薄紙から出し、犬筥を対に並べて、あさひちゃんと初対面だ。 あさひちゃん、犬筥ちゃんだよ、こんにちは。 犬筥さん、あさひちゃんです。よろしくお願いします。 あさひちゃんは、のびのびと育っている。 けみちゃんの遺伝子とけみちゃんの心を毎日あびているから。 赤子には大抵泣かれるはっちゃんで、 でもあさひちゃんは、何気にはっちゃんのすぐ隣にちょこんと座り、 手をぽんとはっちゃんに置いて、けみちゃんも私も笑った。 その時、はっちゃんも心が動いたようすが見えた。 はっちゃんは誰よりもやさしい心の持ち主だが、 見た目がなんつか、かさばるっていうか、圧迫感があるというか。 まあ、バッファロー系なので、小さい子には近寄りがたいようだ。 赤ちゃんが隣の部屋からはっちゃんのいる部屋へ決して入ってこないとか。 はっちゃん自身も知らず知らずそういうことに慣れていたのだろう。 気持ちの安定した人で、いつもは感情があまり表に押し出ることはない。 だけど、あさひちゃんがふと、すぐ隣にきて、ちょこりとはっちゃんにもたれるように座り、 大人みたいにはっちゃんに手を置いた瞬間。 はっちゃんの心がパアッと輝いたのが見えた。 よかった。よかったねえ、はっちゃん。 私たち、はじめ犬筥はパオに置いてきて、 都合のつく日にえーちゅう達にとりにきてもらおうと思っていた。特に私が。 でもパオの面々が、今から行ってきなさい、電話するから、と言った。 夜におじゃますることになってしまうので迷った。 が、めずらしくはっちゃんも、じゃあ行く、という。 えーちゅうはまだ帰宅していなかったが、けみちゃんに直接届けることができ、ほんとによかった。 犬筥を届けたのは私たちだけれど、それ以上のものを受けとって帰った。 犬筥さん、これからあさひちゃんのお友達になってね。 あさひちゃんをよろしくお願いします。 ─── <夕食> ──── 外食 サービスエリアみたいなところで ・キャベツとアンチョビのスパゲティー ・トマトとモツァレラのサラダ ・ハーブティー ─────────────
by moriheiku
| 2006-01-31 08:30
| 言葉と本のまわり
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