『第三の脳』 皮膚は考えてる 03




つづき

 
『第三の脳』によると、

健康な皮膚は、表皮の最表層にカルシウムイオン、マグネシウムイオンなどが
高濃度で分布している。


表皮細胞はイオン濃度の変化によって、電気信号、電波を発信している。

またカルシウムイオンは、
表皮の自己組織化(自分の有する機構によって秩序を生まれること)に
重大な役割を果たすものらしい。



皮膚が、角層バリアを壊され、表皮が空気に曝されたとき、
表皮組織内で起こっているはずのイオンの動きが再現できないかを見る実験では。

培養した表皮細胞ケラチノサイト
(細胞を観察用の石英ガラスの上にびっしり育てたもの 脳を介してない、、)
その一部を空気にさらす。


すると、培養した表皮細胞中の乾燥した部分近くのカルシウムイオンが、個々に振動した。
人の耳に聞こえない低周波の電波を発信した(振動=音波)。
その上、細胞同士は相互につながって、
振動を伝線させて情報を伝播させていた。。

培養した表皮細胞の一部を乾燥させる、
その実験だけで、こうした高度な働きを見せる。

皮膚自身が高度な判断と情報処理をしている。





皮膚が色を認識することは一般的にも知られている。

それは私たちが目を通して視覚で判断する青、赤などのカラーのように
とらえているものではないが。

例えば、スキンケアの記事で目にするけど、
皮膚は、光のうち紫外線や赤外線を判断し、メラニンを作り出す。
皮膚自身が光の波長を感じ、判断し、行っている。

光の波長のうち紫外線、赤外線は目で見えないが、
二つの波長の間はいわゆる可視光線、

我々の見る、青、緑、黄色・・、

皮膚は、そうした目で見て判断する光の波長の分け方とは別に、
色(光の波長)を認識している。

このことは視覚に障害を持った人々に、
道を開く可能性がある。





痒みについても。

私も時々ジンマシンができるけど、



やけどなどで表皮が失われると、
痛みは感じるが、痒みは感じない。

つまり痒みには、神経も、表皮も必要。



アトピーの痒みは、
脳や脊髄の神経系からのアプローチではとめることができない。


表皮感覚の最前線は、表皮細胞ケラチノサイトと考えられる、
そのケラチノサイトは多くのセンサー分子を持っている。

繰り返しになるが、
ケラチノサイトはセンサーであり、
自身でセンサーの電気信号を受け、
自身で末梢神経を刺激する物質も合成する。


このケラチノサイトのセンサーや、刺激物質の量の違いが、
敏感肌につながるのではないか、そう筆者は考えている。




第三の脳



つづく





─── <夕食> ────







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by moriheiku | 2008-03-19 08:00 | 言葉と本のまわり
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