植物を挿した水を取り替えていた。 静かに替えているつもりだったが、 新しい水を注いでいる時、枝に水の筋があたって水が分かれ、 せせらぎのような音がした。 「きれいな音がしてるわー」と、くんちゃん。 きれいなのは、くんちゃんの心だ、と思った。 ・2011-03-03 中世芸能の発生 385 石走(いはばし)る垂水(たるみ) 祝福 ・2010-08-30 中世芸能の発生 352 滝 木綿花 泊瀬川(はつせがは)白木綿花(しらゆふはな)に落ちたぎつ瀬を清(さや)けみと見に来(こ)しわれを (万葉集 1107) 他々。 上記の歌は、詠み人の感慨であると同時に、ことほぎ。 その祝福を身体に響かせるための歌だ。 万葉人が見飽きないと歌に称えた泊瀬吉野の滝の木綿花。 今も山間を駈けくだる水を見れば、 その音に、細かくあたる水飛沫に、山と水の匂いに、木綿花のように咲きつづける水に、 心は躍って(激(たぎ))って息を吹き返す。 万葉集。 古い歌には、イノチのいきおいがある。 ことばの中の水に、自分の水が響く。 歌の中に、石走る水が流れつづけている。 そこに立っているような、ほとばしる水の実感。 春のよろこび。 水に響く祝福の体感。
by moriheiku
| 2012-09-07 08:00
| 歴史と旅
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