テレビでマトリョミンを見た。 マトリョミンはロシアの入れ子の人形マトリョーシカの中に、 楽器のテルミンを入れた楽器だそう。 音はテルミン。弦(楽器)のような区切りない音階。 人頭大のマトリョーシカに、 遠隔で術をかけているかのような演奏方法。 こ、これは。 私は知らなかったけれど、マトリョミンは人気があるそうで、 各地でレッスンが行われているそうだ。 テレビで見たレッスンの風景は、 ひな壇に並んで座っている生徒さんおひとりおひとりが、 目の前のマトリョーシカに、遠隔で術をかけてるようだった。 マトリョミンをはじめたきっかけを生徒さんに聞くシーンでは、 魔術師みたい、 もし演奏に挫折してもマトリョーシカは飾っておけてかわいいと思って、 お人形が好きなのではじめました、 忘年会の出し物に困った時マトリョミンができると助かる、 等のコメント。 もー私は、何と言っても、 なぜマトリョーシカにテルミンをっ、と思ったけれど。 ここはぐっと堪え、知らないままでいよう。 だってだってマトリョミンのナゾ感を持続したいから。 先日出かけたコンサートホールでのクラシック音楽の演奏会。 (マトリョミンでなく、いつもの。普通のクラシックのコンサート) この日のプログラムのうち一曲は現代音楽だった。 これだけコンサートへ行くのに、 あたしは好みでない曲はあっさり眠ってしまうタイプで、 ほんと申しわけないこと。 この曲も第一楽章で眠くなった。 が、第二楽章に入り、 あ、二楽章のバイオリン独奏の音の上下がテルミンの音にそっくり。 でその指揮者の手つきは、 マトリョミンに遠隔で術をかける人々の手つきにそっくり。 そこから 心中爆笑で、ギンギンに目覚めていた。 おもしろい曲だった。 こんな理由で、ごめんなさい。 ソリストの晴れた笑顔の切れあがった口角と音の切れのかたちが同じだった。 このソリストは好き。アスリートみたい。
by moriheiku
| 2011-06-12 08:00
| 音と笛のまわり
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