雅楽器にふれる機会があった。 龍笛と神楽笛と高麗笛をさわらせていただけた。 もっとも興味のあったのは笙だったけれど、 リードの部分など見せていただいてはじめて知ったのだけれど、 それは繊細な繊細なつくりと作業をされている大切な笙であったので、 さすがにさわらせていただくことはなかった。 さわった龍笛は、私にとってはドラム缶を吹くようだった。 唇のところをあてる穴のサイズも大きく、 指の穴も私の指の巾ではふさがらない。音出ない。 その笛は、肺活量の大きい人向き、とのこと。 神楽笛は、なじみのあるサイズ。 三本の中では違和感はない。 でも私にはスムーズに吹けたりはしない。 高麗笛、 わあ、これが舞楽の中で空中にヒュンヒュンと聞こえるあの音の笛? それとも神楽笛かも。 高麗笛はピッコロのよう。細くて小型。 穴が一つ少ないのでびっくりしちゃった。 順に吹かせていただいる時、 その日知り合ってお話ししていた方の順番になって その方が笛を構えたら 「フルート!」 まるでフルートを吹くようだった。 体や笛のかたむきや指や唇や、なんだか全てが。 その方は小学校からクラリネットを始められたそう。 学生の間はずっとクラリネットをして、 フルートも時々されていたとのこと。へええーー。 その日さわらせていただいた龍笛、私は音ほとんど出ないんだけど、 女性でもボーボー音を鳴らしていらっしゃる方がいらして、 わー、皆さんすごいー、とつくづく感心した。 経験したことのある方もいらしたけど未経験の方も はじめから音が鳴ってすごいーと感心しどおし。 子供たちに舞楽の舞を教えていらっしゃる方や、 色々な方がいらした。 私、自分の笛の他、笛をさわったことなかった。 他の笛はどんなだろう、一度吹いてみたいなってずっと思っていたから とてもうれしかった。 こういう風にして吹く、と、 持ち方や口の位置など教えていただけたこともすごく楽しかった。 カラフルな時間だった。 それで帰りの電車のシートで、 私は基本的なことも何も知らないこと、 数年間何をしていたんだろうと思って、 涙がぱたぱた落ちた。 泣いたり笑ったり怒ったり喜んだり。 カラフル。
by moriheiku
| 2011-04-13 08:00
| 音と笛のまわり
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