中世芸能の発生 233 ふくらすずめ




つづき




家に物が増えるの、どうかな、
インテリア的にどうかしら、って思ったけど、
日吉大社ですずめの土鈴を買った。

授与品のうち一番かわいらしく見えた。
それになんといっても鈴だし。

・2009-10-05 中世芸能の発生 210 ささ 神楽声
・2007-10-18 鈴とオガタマ
・2007-10-18 鈴と種



家に帰って、箱を開けた。
手のひらに乗るほどの土の鈴。

紙に、

“福楽(ふくら) 寿々米(すずめ) 土鈴

当大社では幸福で楽しい事を雀のふっくらとした姿に求め、千有余年も昔から福楽寿々米(ふくらすずめ)と名付け珍重しています。
山王祭(未の御供)には御子神の幸福を祈って玩具としての福楽寿々米(ふくらすずめ)が供えられます。
当大社独自の幸福を授かる玩具として有名です。福楽寿々米(ふくらすずめ)にあやかって、幸福な日々をお送りください。

山王総本宮 日吉大社”

とあった。



おせち料理の豆が「まめに暮らせるように」、
たつくりは田作り、昆布はよろこぶ、栗が勝ち栗などと言われて、
おせち料理のいわれは今ではまるでだじゃれのように思う。
けどそれは、昔の人の、
恵みと感謝の奉げもので、
それらの力の伝染を願うマジカルなことへの期待だったのでしょう。

似た言葉、似た意味を重ねることで、
そうなりますように、っていう祈り。予祝のような。


この可愛いふくらすずめの鈴も、
鈴とすずめ、ふくらと福来、米のあるところに雀などの
いくつものおめでたい意味とイメージを重ねて
幸福が願われてきたんだろう。


日吉大社であれこれ選んでる時はそれほどに思わなかったけど、
家の中で鳴らすと、思いがけなく大きい音。

単純で、素朴な。
でもはっとする音が鳴るかわいい雀。




呪 祈り
・2008/07/28 芸能の発生 古代~中世 03 和歌とよごと
・2008/07/28 芸能の発生 古代~中世 02 ことわざと歌

・2008-08-13 「ほ」を見る。
・2008/03/23 春の黄の花木 マンサク





・2009-10-05 中世芸能の発生 210 ささ 神楽声
・2009-10-06 中世芸能の発生 211 ささなみ
・2009-10-07 中世芸能の発生 212 鈴 太鼓

・2007-10-18 鈴とオガタマ
・2007-10-18 鈴と種

・2008-08-13 さ行
・2009-05-01 中世芸能の発生 122 ささら

類感
・2009-12-07 中世芸能の発生 259 類感 感応



・2009-12-11 中世芸能の発生 263 ほうほう蛍 まじないのことば
・2009-12-12 中世芸能の発生 264 いや重(し)け吉事(よごと)




つづく
by moriheiku | 2009-10-28 08:00 | 歴史と旅
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