中世芸能の発生 169 修験道の方便




つづき


古い修験道は、
自然(と自然の内に静まるもの)と一体となって、その力を身につけ、
常に具体的に人々の願いに応えるものだったようだ。

その目的のため、修験道は、
自然信仰、山岳信仰、仏教、神道、道教、陰陽道、呪術など含む、
幅の広い、ある意味雑多な宗教になった部分があるのかもしれない。


目的は、自然(の神霊)との一体化と衆生救済。
その方便として。


実践と救済が第一。

取り入れた様々は方便。

目的のために、
もっとも効果のある方法が尽くされたということだろうか。



宗教の思想的な洗練よりも、実践。

自然信仰山岳信仰により近い初期の修験道は、
礼拝の対象を限り哲学的に教理を極める宗教とは異なる。



いろんなものを併せ持っていることがえたいのしれなさにも見え、
修験道の誤解にもつながった。

明治の神仏分離では、
修験道は神仏を習合したとして解体をせまられた。



神仏習合は、
衆生済度の方便。




方便
・2009-05-26 中世芸能の発生 134 芸能の担い手
・2009-01-02 中世芸能の発生 49 中世仏教の衆生救済


・2009-07-04 中世芸能の発生 163 修験道



つづく
by moriheiku | 2009-07-10 08:00 | 歴史と旅
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