つづき 民間に仏教を広めた優婆塞ら遊行僧は、 仏教以前の、 古来の自然の中で何事かを感得してきた自然信仰や、 山岳信仰の系譜にあった。 ・山岳信仰 01 ・山岳信仰 02 ・2008/09/14 遊行の僧 国は、公に認めた僧以外は僧と認めず、 寺院外での僧の活動も禁じていた。 平安時代初期にまとめられた『日本霊異記』は、 記録に残る最古の説話集。 古い時代から、 優婆塞ら国には正式な僧と認められない私度僧たちは、 人々を作善勧進による救いへいざない、 民間に仏教を広めていた。 『日本霊異記』はこうした宗教者たちによって繰り返し民間に語られた 神仏の霊験の物語が収録されている。 唱導説教の説話集だ。 『日本霊異記』は、 優婆塞から薬師寺の僧になった景戒によってまとめられた。 景戒は天皇発願の官寺薬師寺の僧となったが、 それ以前は優婆塞であり、 景戒自身『日本霊異記』に収録された説話を民衆に物語り、 説教をしてきた人だっただろう。 『日本霊異記』に収録された物語で、 役行者(役小角)ら優婆塞たちが活躍している。 聖や比丘尼が絵を持って民衆に霊験を説いたように、 民衆に仏教を広めた宗教者たちは 経典やそれに準ずる持ち物を持っていたようだ。 『日本霊異記』の記述にも、 一例が見られる。 ・2008-09-12 中世芸能の発生 11 官の仏教 民の信仰 ・2008-09-08 中世芸能の発生 08 山岳信仰の系譜 優婆塞 私度僧 ・2009-07-05 中世芸能の発生 164 修験道の衆生救済 つづく
by moriheiku
| 2009-06-13 08:00
| 歴史と旅
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