波の跡




自然の近くにいたいから、
そういう場所に出かける。

手付かずに季節のまま更新されてきた自然は、
神社の森のような神域として守られてきたような場所以外は、
人の住みやすい平地には残っておらず、

私も入れるような道のある場所は、
谷あいや、
これから道のなくなる本格的な山に入る場所になる。


そうした場を歩くと、
今はやわらかく日のあたっている場所も、
山や樹木の陰になる時間があって
全体的に日照が少ないこと、

水の確保や、
切り開くのに困難な地形で、
平地のような耕作なら不向きと身体でわかる。


そのため開発が進まなかったのだが、

大昔、ゆっくりと、地形に沿って
波のように上ってきて届いた人々とその文化が、
去った波の跡のように、
そうした場所に残っていることがある。





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by moriheiku | 2009-02-28 08:00 | 歴史と旅
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